☆ Long Storys ☆

□いつになったら〈完結〉
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「いつになったら」



世の中はゴールデンウイーク。

メンバーはそれぞれソロの仕事に行っている。



で、オイラひとりがOFF。


最近はもっぱら家にこもって
フィギアを作ったり、大きな絵を描いてた。


だけど、それもそろそろ飽きてきた。




「たまにはぶらっと出かけてみるか!」



渋谷から井の頭線に乗り、見慣れた駅で降りる。


南に下っていくと、
緑の木々と水面をキラキラ光らせた池が
迎えてくれた。



「いいねぇ…!」



ボソッと翔くんのドラマのセリフを真似してみる。


心の中で“んふふ…”と笑いながら、
いつもの場所へ足を運ばせる。



公園の中にある小さな売店では、
もう「氷」の文字の旗が揺れていた。



コーヒーを買って、
お気に入りのベンチに腰を下ろした。


舞台やドラマのとき、
セリフを覚えるのによく通った場所だ。



「やっぱ落ち着くなぁ、ここ。」



コーヒーを飲みながら、帽子を深くかぶり直した。



バレるかなぁ、いや、バレないだろう。

だってみんな、恋人や家族と来てるから…。

オイラのことなんか、見てるわけねぇし。




特に何をするわけでもなく、
ぼぉーっと座ってるのが心地よかった。



ボートに乗る家族連れの笑い声が響いている。

他には、
ジョギングをする人の足音、
散歩中の犬の泣き声や、
遠くの方では動物園の動物の鳴き声もする。



「ふわぁぁぁ…」



平和な日常の音が、眠気を誘った。

 
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