夢見心地ぞ。

□「いってらっしゃい」
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「マダラ…」




「ッフ、なんだ柱間。その顔は」





「…気をつけて行ってこいよ」



「余計な世話だ…」






マダラさんはそういってフッと笑った。





今から極秘任務に出かけるマダラさん。




柱間様の書記として側にいるわたしは

柱間さまと二人で木ノ葉の裏口まで見送りにきた。


わたしは思いっきり浮かない顔。




極秘任務なんて普通の任務より危険度高いのなんて誰だってわかってる。









「……」





「……、」






「……(スッ)」





マダラさんがそっとわたしの頬に触れる





「………っ」








「いつもみたいにやめろと言わんのか?(笑)」





いつもわたしにちょっかいを出してくる。


そのたびに「やめてください!」なんて怒って言うけど


嬉しそうに笑うマダラさん。


かまってもらえてるそんな毎日がいつも幸せだった。






「………」







「そんな顔をするな。行けなくなる」





そういって困った様に微笑む。

















マダラさんの極秘任務の話を聞いたのはつい3日前。


突然すぎてなんて声をかけたらいいのかわからなくて。





なんでマダラさんが行かなきゃいけないの?



柱間様に聞いても濁して笑って誤魔化すだけ。




生きて帰ってくる保証はある?




『マダラを信じろ』って


信じても帰ってこなかった仲間はたくさんいる。














「……マダラさん」





「………?なんだ」








「……泣いたら、行かないですか」




「…………………」




困った顔をしてる







顔、見なくてもわかるよ











「……ッフ」



「い゛!」




頬に添えられたマダラさんの手が


わたしの頬を引っ張る。







「い、い゛はい!」(痛い)





「…お前はそうやって怒ってろ」




「っ、」








「そうだなぁ…」





ふと思いついたように口を開くマダラさん。








「帰ってきたら一楽のラーメンについて行ってやろう」



「!」







いつも夜遅くになると



みんなで一緒に行く一楽。



マダラさんは誘っても



「俺はいい」って言って行かなかった。






「……」



思わず口元が緩む。






「約束があったほうがいいだろう?」




そう言ってまた微笑む。






「泣くなよ?(ニヤ)」




「っ、泣きませんっ」




「どの口が言うか。」





口とは反対に流れる涙を拭って笑う。






「…じゃあ、そろそろ行くな」








その言葉と同時にわたしはマダラさんの手を握っていた。






「…………………?」






「絶対に……ラーメン行きましょうね」














精一杯に出た言葉がこれだ。




視界が揺らいで何も見えない。




またからかわれるかな?






そう思った途端






「ッフ、…ああ。待ってろ」







頭をぽんぽん、としてマダラさんは暗闇に消えていった。









→あとがき&おまけ
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