夢の町

□0…始まり
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……それは、ウィンターカップ後の、日常の光景だったんだ。

「いや〜、流石決勝戦だな。凄かった!」

高尾君が騒いで、

「高尾、うるさい。」

それを緑間君が抑えて、

「真ちゃん、ひどい!だって、あんなの見た後だぜ。テンション揚がってもしょうがないじゃん。ねぇ先輩?」

「だからってうるせぇんだよ、轢くぞ。」

宮地先輩が暴言を吐いて、

「まあまあ。高尾の気持ちは分からなくもないが、ちょっとボリュームは落としたほうがいいな。」

大坪先輩が優しく咎めて、

「大坪の言うとおりだな。」

木村先輩が収めて、

「先輩方がそういうんなら…でも、凄かったですよね!?」

「確かに、高尾君の言うとおり凄かったね。」

そこに私がいる。

「っすよね!流石千晶先輩!」

それが、いつもの日常だった。

「ん?なんだろう、あれ?」

「なんのことっすか?」

「ほら、あそこ。妙に真っ暗で、ちょっと不気味。」

「本当っすね。なんだろうな。」

それが壊れたのは、あの暗い穴の所為か…

「…なんか、大きくなってねぇか。」

「確かに、宮地の言うとおりだ。」

チリン

チリン

「…あそこから、鈴の音が聞こえてくるのだよ。」

「なんだか気味が悪いな。」

それとも、あの

チリーン

チリーン

「……あれ?」

「どうした、小西。」

「なんだか、眠くなって、きて…」

「そう、いわれれば、俺も…」

「っち。わけがわかんねぇ…」

「みんな…」

無情に響く鈴の音の所為か……


チリーン




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