夢の町

□6…携帯の
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「解けたぞ。」

「開きました。」

「おっ、本当だ。」

霧崎、洛山、誠凛の順に携帯のパスワードが出来たようだ。

後は、陽泉と海常だ。残っているのは、下地が青のやつと、白の下地で縁が黒でピンクのやつだ。

「何で、そうなるんだ?」

「どっちが陽泉のだろうか?」

海常と陽泉はまだ誰もわかってn「わかった〜。俺たちはこれだね。」

い、と思ったけど、陽泉の紫原くん(彼もキセキだ、ってか高い)が声を上げた。

「ほら、解けたよ〜。」

「本当だ。凄いな、敦。」

「じゃあ、これが俺たちのか。…あっ、できた。」

「けど、何でそうなるんすか?」

やっぱり、選手の人たちはあまり気にしないのだろうか?翔一さんも言ってたし、頭に残りにくいのかも。

「おそらく、この色は各校のユニフォームをイメージしているんだろう。だから、海常はそれだったんだ。」

赤司くんが答えを言う。

そう、これはそれぞれのユニフォームを簡単に描いたようなものだった。

「凄いな、小西。」

「一番に分かるとか、流石っすね!」

「いや、私がわかったのは翔一さんも言ってた通り、選手たちよりもマネージャーのほうが意識してみるから頭に残りやすかっただけだよ。」

そう、私はマネージャーとして選手たちの試合を外から見ているから、試合に集中している選手たちよりも覚えていたんだろう。

「さて、小西さんのおかげでそれぞれに携帯が渡りましたね。携帯に何か情報が無いか各主将さんたちで調べてみてください。」

「「「ああ。」」」

大体が赤司くんの言葉に返事をして、携帯をいじり出した。

…待ってる間、暇だな。

「暇だな、真ちゃん、千晶先輩。」

「もう少し待てないのか、お前は。」

「いや、けどさぁ。」

小声で話しかけてくる高尾くん(周りに気を使っているんだろう)の声は私と一緒でとても暇そうだ。

まあ、他のところもボソボソと話してたりするし、小声でなら話しててもいいかな。

「なら、今のうちにいろいろ考えておいたら?此処からの脱出方法とか、あの人形をどうするかとか。」

今の私たちには考えなければいけないことが多い。いくつか考えておくだけでも今後マシになるだろう。

「あの人形って、俺たちをどうするつもりなんすかね。」

「さあ?私はその人形を見てないからなんともいえないのだけど、追いかけてきたってことだしわざわざドアを叩いたってことは私たちに用があるとは思うな。」

「そうだな。実際ドアを叩かれたわけだし見たという人が多い。こんな不可思議な場所だから、いると信じざるを得ないのだよ。」

「何か持ってるとか、なかったの?」

「俺が見たのは何も持ってなかったっすよ。と言っても、俺もしっかり見たわけじゃないし。」

「そっか。そこら辺を後で詳しく聞いておく必要があるかな。」

なんて話していると宮地先輩が、

「おい、終わったみたいだぞ。」

と声をかけてくれた。

「あ、ありがとうございます。じゃあ、また後で話そっか。」

「「はい。」」

彼らとの会話は中断だ。

「皆さん、どうでしたか。俺のやつには気になるものはありましたが、ちゃんとした情報はありませんでした。」

「俺のもだ。」

「俺も。」

「気になるものはあったが。」

など、口々に言っていくが有力なものは無かった。

「それで、赤司の気になったやつっていうのは何だ?」

霧崎の主将が問う(イライラしているようで、少し棘のあるものだった)。

「まず、この中に入っているアプリですね。メモ・カメラ・チャットアプリなどいろいろとありますが、普通消せないものが入っていないことが一つです。」

「ああ、それは俺たちのもそうだ。」

「俺も、それは気になった。」

…どんなアプリがあったのか知らないが、疑問に思うようなやつが消えているのは妙だな。

「どうやら、みなさんそのようですね。次に、このチャットアプリですね。」

さっき言っていたコミュニケーションアプリのことかな。

「どうやら、此処にあった全ての携帯が一つのグループに入っており、グループに入っている携帯に電話できるようになっているようです。」

あの有名な某チャットアプリ(LI○E)のようなものか。

「元からやっておいたということになりますが、なんでそうしたのかということが疑問です。」

っていうか、なんで携帯を各校それぞれに用意したのかってこと自体が気になる。

誘拐とかならいらないし、やっぱりゲームのようだ。

「あと、このゲームですね。」

「なぜか一つだけゲームだな。」

「はい。しかも、名前が
【Escape from a school】。
訳すと【学校からの脱出】。」

【学校からの脱出】(今関係ないけど、赤司くん、発音良いな)、まさに、今の状況みたいだな。

「今までの皆さんの状況をあわせると、此処は学校ということになります。だから、一回やってみようと思いましたが、参加しますか?とあったので後回しにしました。」

参加っていうのは、ただの携帯のアプリのこと?いや、きっと違う。此処に用意されていた携帯で、たった一つだけのゲーム。

名前からして、きっと今の状況のことだろう。だから、赤司くんも後に回したんだと思う。

「参加してどうなるのか分からないので、先に今後どうするかを話し合ったほうが良いかと思います。」

「それから、ゲームのほうか。」

「はい。というわけで、今後のことはそれぞれの主将だけでのほうがいいかと思われますので、主将さんだけは残り、他の人は解散してください。」

話し合いはいったんこれで終わりか。

…さて、今後いったいどうなるのかな。





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