コート上の天使
□ぶり返した感情
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季節は巡り、受験シーズン。
あの日以来バレーから遠ざかっている。
「ぎょーざは高校どこ行くんだよ。新山女子か?」
『はあ?バカ言わないでよ。新山女子なんか行くわけないでしょ』
なんだかんだ飛雄とは3年間同じクラスで、部活も同じ体育館だったし、
引退してからも話したりしていた。
「バカ言うなボケ。じゃあやっぱ青葉城西か?」
『やっぱってなによ』
たしかに青城から誘われたし、及川さんもしつこく言ってくるけど、。
バレーしない私は行く意味ないし、新山女子は論外。
『バレーの強豪ばっかじゃない』
「?高校でもバレーやるんだろ?」
首傾げて、飛雄はさも当たり前かのように言った。
何の疑いもないようだ。
「…な、なんだよ、」
『ううん、別に。飛雄は?白鳥沢受けるの?』
「おー」
『…滑り止め、真面目に考えておくんだね』
「最初から決めつけんな!やってみなきゃわかんねーだろ?」
『はいはい』
「結局お前はどこ行くんだよ」
『そんなに知りたいの?ほんと飛雄ちゃん私のこと好きだね〜』
「は…!?バッ、ボッ」
『え?バボ?バボちゃん?』
「ちっげーよ!ボケェ!!あとその呼び方ヤメロ!!」
なんやかんや、やっぱり飛雄はバカだから
ごまかして、躱して…
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