コート上の天使

□受け止める
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「岩ちゃんどうしよう、ぎょーざちゃんから返事こない!」


「ウザがられてんじゃねーの?」


「ぎょーざちゃんに限ってそれはないよっ!…って思いたい」







これから王様と戦ってきます


なんて連絡来てから電話も出ないし、返事来ないし…!






「影山に喰われたんじゃねーの?」


「やめてよ岩ちゃんんんっ!!」




縁起でもないこと言わないでよね…!



「確かに、なんか最近そっけないんだよね〜ぎょーざちゃん。及川さん寂しいよー!」





「…お前さ、」


「なに、」


「…やっぱいい」


「はあ?なにそれ。男らしくないぞ岩ちゃん。ますますモテなくなっちゃうよ」


「うるせぇ!余計なお世話だっ!!」


「痛っ」




ジンジンと痛む頭を押さえながらも
思い出されるのは泣いてるぎょーざちゃん








頑張った、辛かった

焦った、迷った

それだけならここまで頑なになることもなかった



最後の一点が相手に渡った時の感情が
自分が自分を許せない





だから余計に苦しいんだよね?








「岩ちゃん」


「あ?」


「結局さっきの、何?」




「…焼きがあれ取りに来なかったら、大嫌いだって言ったらお前どうすんだよ」






俺のロッカーに眠るベストセッター賞とメダル。





取りに来る

俺はそう思うよ




けど、もうバレーなんて嫌いだって言うなら





「俺はそれでもいいよ」


「いいのかよ?」


「もちろん取りに来る。そう思ってる。

けど、どんな結果になろうと俺がぎょーざちゃんの味方であることには変わらないし。


俺はどうなっても受け止めてみせるよ」






「…案外まともで安心した」


「案外ってなに?!俺はいつもまともで真面目だよっ!」





あーやっぱ心配だなぁ

会いに行っちゃおうかな


でも、及川さんってぎょーざちゃんから来てほしいしな、




求めてきてくれたなら、ぐずぐずに甘やかすのにな










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