コート上の天使

□決意表明
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「おっ、おっ、おス…!」

『あ、うん。おはよう』





朝、昇降口で待ち伏せしてたであろう飛雄

すっごく挙動不審。

顔怖いし、何か言いかけてはやめるし、




たぶん、土曜のこと気にしてるんだろうなってのは伝わる。




『一昨日はごめんね。言い過ぎた』


「は…!おまっ…なん、っ〜!!」




「ちゃんと日本語しゃべりなよね、王サマ」




さりげなく嫌味言って、すーっと通り過ぎたのは




『ツッキーじゃん、』

「…アイツ知ってんのかよ、」

『本名は知らない』



ちらっと飛雄を見るとまだなんか言いたそうに
してた



『?一昨日のことならいいよ。別に飛雄が気に病むことないじゃん。私気にしてないし』


「だーっ!!!お前なんでいっつも余裕なんだよ!!俺が、俺がバカみてぇ!」




ぎゅん、と猛スピードで自分のクラスへと行ってしまった。


そう、よくわかってるじゃん

飛雄はバカだよ、
バカだからこそ、まっすぐなんだから








「キミも大変だね」


私も自分のクラスに行こうとしたら、下駄箱の背によっかかるツッキーに話かけられた。


『ツッキー、』



少し嫌そうな顔をした   ように見えた

あんまり表情が顔に出ないタイプかな

なかなかいい性格をしているのも試合を見ててわかってる




『この前はごめんね、邪魔して』


「別に。面白いもの見れたし」


『ツッキーを楽しませれたならまだいいけど』


「あの王様を手懐けるなんて結構やるじゃん」


『別に手懐けたつもりはないけど、』





ふぅんと言って気が済んだのか自分のクラスへ戻っていった。


ツッキー…本名何なんだろう










「あぎょーざちゃんおはよう」


『おはよー』


「4限体育になったらしいよ」


『まじ?ラッキー』





なんてことない会話をして自分の席についた。


なんてことない学校生活
なんてことない女子高生
なんてことない普通の日常




これでよかったはずなのに

開き直ってからは、これでいいのかって思っちゃう




ほんとワガママだな…










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