コート上の天使

□いざ青城
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早いほうがいいかと思ったが、月曜はたしかバレー部はオフだったことを思い出し、結局火曜日になってしまった。


なんの計画もなく正門まで来たはいいけど、
思いっきり場違い感…!

そりゃそーだよね!制服で来るんじゃなかった、中にもこれじゃ入れないし…

下校する人達の視線が痛い…!
どうしようかな、出直そう…かな



「あの〜…」

『!は、はい』


振り向くと、野球部感ダダ漏れの男の人がいた。



「誰か、待ってるんですか?」


チャンス…!チャンスだ!



『えっと、お』



及川さん



ってここでは言わないほうがいいのかな、


取り巻きかと思われてもめんどくさいし





『…バレー部の岩泉さんに会いたくて、』

「え、岩泉?!」

『?はい。お、お知り合いですか…!?』

「もしかして…かっ彼女さん、とかですか!?」




ええー…

違う、けど…うーん




『彼女、じゃないですけど…やっと決心ついて…!』

「こここ告白ですか!?すぐ呼んできます!」



いい具合に勘違いして、いい感じに足が速くて助かった。

これならすぐ連れてきてくれそうだ!









「いいい岩泉ぃぃぃー!!」

「うるせぇな!なんだよ!こっちはこれから練習試合なんだよ」

「かっカワイイ子…!」

「は?」

「超カワイイ子が校門でお前のこと待ってる!早く!ナンパされるぞあれじゃ!」

「はあ?」














「ぎょーざ!」

『あ、岩泉さん!』



向うのほうから走ってくる岩泉さん
半そでなのが申しわけない。


『これ、返そうと思って。返すの遅くなってすいません』



持ってきた紙袋に入ったジャージを返した
岩泉さんは中をちらっと覗いて



「ああ、構わねぇよ、別に」




よし、

本題だ…!





「あのクズなら病院行ってて今いねーぞ」

『え!?』

「?及川に用があるんだろ?」

『えっ、えっ…え?』




なんでだ、なんでわかる…!?



「落ち着けよ、らしくねーな」

『なんでわかったんですか、』

「?なんとなく」




そういえば及川さんケガしたとかしてないとか、連絡してきた気がしないでもない…



「なんつーか…カンがあたってよかった」

『え?』

「取りに来たってことだろ、アレ」



アレに心あたりがある私は強く頷いた。



『はい』

「よし。じゃあ、見てけよ」

『…?』

「今日練習試合なんだ。烏野と」

『え!』




知らなかった…


でも烏野となら、制服で入っても大丈夫そうかも




『お邪魔じゃなければ、見たい、です』











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