コート上の天使
□青城戦
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「てめぇぇぇぇ!いい加減その緊張やめろォォ!」
ギャラリーに上げてもらって、なるべく端っこで、でもちゃんと見える位置を陣取った。
金田一や英と知った顔も居て、なかなか真剣に見ちゃったけど、試合はひどかった。
オレンジ君、日向君の動きが緊張の度を越してるんじゃないかってくらいだった。
飛雄は眉間に皺寄せて怒鳴ってる。
「好きで緊張してるんじゃないだろ?!」
外から声をかけるスガさん。三年生なのに、条件付であるとはいえ一年に正セッターを奪われた身であるのに、真剣にアドバイスしてる。
きっとすごく人間的に強くて、優しい人なんだろう。
あっという間に青城のセットポイント
この状況でのサーバーは、
『…日向君、じゃん』
ぐーっとボールを両手で掴んでいる。なんだか私まで緊張してきてしまった。
ぴっ と主審が笛を吹いた。
その瞬間手からボールが浮き上がり、
いいトスをあげられなかったまま、手に当てる。
ボールは勢いよく飛び出し、
ばちこーん…っ
飛雄の後頭部に直撃した。
…、
もう、
もう、 だめ、 だ
『…ぷ』
「ぶあはっはっはっは!うおい後頭部大丈夫か!」
「ぷっすー!ナイス後頭部!」
しーんとした状況から一転、大爆笑だった。
飛雄や日向くんには悪いけど、
笑いを堪えられなかった。
飛雄が日向くんを壁まで追い詰めてなにかやってる。
ぱーんぱーんと飛雄が自分の頭を叩く音がやたら聞こえた。
それすらもなんだかおもしろくてしょうがない。
『あー…おかし、』
面白いことにはなったが、烏野は1セット落としてしまった。
しかも13点しかとれてない。無駄なミスで落としたのがほとんどだけど。
日向くんもようやく緊張がほぐれたみたいだし、
反撃開始、ってとこかな…?
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