コート上の天使

□迷子と天使と
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俺は今少し、いや…

変に緊張、してる





『今度はちゃんとルートを確認しながら走ってね』


「う、は、はいっ」





焼きさんがまさか迎えに来てくれるなんて…!




『そういえば、金髪プリンさんと知り合い?』


「金髪プリン…?

あ!研磨!研磨はさっき会ったんだ!バレーやってるって言ってた!」




そうだ…!セッターって言ってた!影山とは全然雰囲気違ったけど

スガさんも言ってたけど、いろんなセッターがいるんだな!




「焼きさんそういえばセッターだったんだよね?」


『うん、一応ね』


「セッターって難しそうだよなあ。俺はやっぱスパイクが好きだな!」



ばしーんって手に当たるあの感覚!

大好きだ




『私もスパイク好きだよ』


「え!?でもセッター…」


『私セッターやる前はウィングスパイカーやってたんだ』


「へー!そうだったんだ!」


『だから打つのも好きだよ』





セッターでスパイクもできて、
しかもレシーブも上手かった!
やっぱすげーな焼きさん…!



『でも難しいのがセッターのやりがいだと思うな。鮮やかなコンビもセッターが生み出してるんだし!』



前に影山に言われたことを思い出した





「支配者っぽくて一番かっこいいだろうが!」








あの時の影山すごかった
なんかセッターにプライドあるんだなーってなんとなく思った

めっちゃ怖かったけど







『日向くん』


「え、あ、はい!」






『ありがとね、』


「…え?な、ななななんで…!?」





え、なんで

俺何にもしてないし
むしろ迷惑かけてるくらいだし

えっと



『飛雄がちゃんとセッターやれてるのも日向くんのおかげだよ』


「え!そ、そんなこと」


『澄ました顔してバカだからさ』





…さらっとひどいこと言った




『これからもよろしくね。全力で向かっていってやってよ』



こんな風に思ってもらえる影山なんなんだよ!?

まじでこんないい子と仲良いとか信じらんねー



けど




「もちろん!」





あれ、焼きさんにお礼言われて、影山のことよろしくされたってことは…



俺、もしかして王様よりすごい…?!





練習戻った後も影山の顔見るたびに思い出して勝った気分になった。



「…なんだよ」


「べっつにー!」


「お前ブロックの手の出し方が悪い。下手に触るなら飛ぶのやめろ。ディグの邪魔。ちょろちょろすんな」






…やっぱコイツなんかムカつく!!!











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