コート上の天使

□勝つための手段
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『おっじゃましまーす』

「適当に座れよ」

『はーい』




勝手がわかったように席につく


当然だよな
何度もここに来ては戦略練ってたんだから



『お店もういいんですか?』

「あぁ。もう今日は閉める」

『へぇ…』



いつも通りの振る舞い


だが
こいつは探ってるだろう
特に何も言わなかったから
何事かってな




「今日の試合、記録付けてただろ」

『え、まぁ…』

「ちょっと見せてくれねぇか?」



そう言えばぎょーざはゴソゴソとノートを広げ始めた



『今回、どの点で誰が決めたかは私は記録してません。』



カチリとボールペンをノックして
おもむろにノートの余白に図を書いた


『こんな風にコートをザックリ6つに割り、番号をふって、スパイクやサーブのコースを番号で記録しました』


その記録がこっちです




差し出されたノートを開く




多少は字が乱暴ではあるが
きっちり情報は詰まってる



リアルタイムで
しかも手書きでここまでデータを取るなんて…




目だ
観察力、視野の広さ、目のつけ所

こいつはこの力でプレーをカバーしてきた



その力が
今度は烏野に生かされれば…




『見落としがあるし、音駒の方のデータも取り切れてないので後で映像見返して付けていこうとは思ってます』





圧巻





『…あの?』


「あのな、これは提案だ。

強制じゃない。いいな?」


『はい?』





この目を

活かす






「アナリスト、やってくれ」










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