幸せの温度

□X
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翌朝。

目を覚ますといつもの薄暗いコンクリートの天井ではなく、柔らかな日が差す天井。


『…』

ハルはぼんやりと天井を見つめる。

昨夜、草薙が来てくれた後は驚くほど深く眠ることが出来た。

こんなに深く眠ったのは初めてだったから、自分でも驚く。


ゆっくりと体を起こしてみると、昨日より痛みもかなりひいていた。


コンコン

控えめにノックされ、ドアを見ると静かに開いたドアからアンナがちょこんと顔を覗かせた。


ア「おはよう」


アンナはそのまま部屋に入ってくる。
その後ろから十束が覗く。


十「もう起きてたみたいだね、おはよ。
体の痛みは少しはマシになったかな?」


ハルはその言葉に頷く。


良かった、と言って十束は笑った。


しばらくして、アンナが朝食を運んで来てくれた。

草薙作ってくれたようで、それはスープだった。施設で出されてたのとは大違いの、湯気がたつ、スープ。
よく煮込んであるのか、具材は殆ど形を止めておらず、ハルが飲みやすいようにしてくれたようだった。

器を受け取り、そっと口につける。
友人達の影がちらついたが、なんとか一口、口に含み、飲み込んだ。


とても、安心する味だった。

ハルはそのままスープを飲み続ける。

アンナと十束はその様子をほっとしたように見守っていた。


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