Novel-ハイキュー!!-長編@
□1章-A 過去
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和奏side.
光ちゃんを避け始めてから8日目。冬休みを間近に控えた日の学校の帰り道。
光ちゃんを避けていた私は今、避けていたはずの彼に捕まっていた。
遡ること数十分前。
いつも通り、莉央ちゃんたちと一緒に帰っていると、校門を出る直前で光ちゃんが校門前から出てきて、「おれもいっしょにかえる」と言ってきたのだった。
私の右手は光ちゃんの左手にしっかり握られていて、逃げ出すことはできなかった。
莉央「ねぇ、わかな?」
『なに?』
莉央「なんかわたしたちにかくしてることない?」
莉央ちゃんの言葉に光ちゃんと咲桜(さくら)ちゃんも私を見る。
みんな心配そうな顔で私を見ている。
(いわなきゃ、ダメだよね……)
『え、と、あのね……っ、ふ…』
勇気を振り絞って、転校の話をしようとしたが、言葉より先に涙が溢れてきて、その場にしゃがみこんでしまった。
木「わかなっ?」
上手く言葉が出なくて、泣きじゃくる私をみんなは優しくなだめてくれて、家まで送ってくれた。
家に帰ると、泣き止まない私を見たお母さんが三人にお父さんの転勤と私の転校の話をしてくれた。