Novel-ハイキュー!!-長編@

□*2章 転入
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和奏side.

ふと誰かの温もりを感じて、目を開けてみる。

(あったかい…なんで……?)

私の頭の下には柔らかい枕じゃなく筋肉質な腕。
反対の腕は私をしっかりと抱きすくめている。
目の前にはTシャツ越しでもわかるたくましい胸板。
少し視線を上げれば、あどけない顔で寝ている光ちゃん。

(あ、そっか。昨日、光ちゃん泊まったんだっけ……)

昨日のことを思い出し、顔に熱が集まる。

10年前彼氏彼女になってから離れ離れになった。子供同士の口約束だったのに、そのまま10年間お互い気持ちが変わらず両思いのままだったなんて…。

(夢みたい……でも…)

頭の中が急に冷静になる。
また彼氏彼女になれたのは、とっても嬉しかったんだけど……問題はそのあとだ。


和奏的問題@
光ちゃんの押しに負けて、一緒にお風呂に入った。

和奏的問題A
光ちゃんの押しに負けて、同じベッドで寝た。

和奏的問題B
光ちゃんの押しに負けて、身体を重ねた。


何が問題かというと、自分がこんなにも"押しに弱い人間だったのか?"ということだ。

(光ちゃんの押しにだけ弱いってことにしとこう。イギリスじゃなんともなかったんだし…)

昨日の情事を思い出して、一人で百面相しながらもぞもぞしていると、光ちゃんも身じろぐ。

木「ん……和奏…?」

『ごめん、起こした?』

寝起きの光ちゃんの声は少し掠れていて、ちょっと色っぽい。

木「いや、朝練あるし大丈夫。…今何時?」

枕元にあるスマホで時間を確認すると、まだ朝の5時前だった。

木「もうちょっと寝れるな。つか、朝起きたら隣に和奏が居るとか、幸せすぎだろ」

『んぅっ』

私を抱きすくめている光ちゃんの腕に少し力が入り、顔面が彼の胸板にぶつかる。

木「…可愛い反応してると襲うぞ?」

『…ぅ…』

昨日から時折見せる獲物を狙うような鋭い視線に捕らえられる。

(その瞳ずるい…抗えないじゃない)

木「和奏……」

光ちゃんに肩を押されて、そのまま視界が回り、光ちゃんの顔と天井が見える。

自然な流れでキスをしようとする光ちゃんの唇を手のひらで押さえるが、それも無駄に終わり、手を顔の横に縫い止められてしまった。

木「だーめ」

『こー……んっ、ふ……』

触れてしまったら止まらない。
止める術もわからず、光ちゃんに身を委ねた。
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