BL

□KEEP AWAY FROM...
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言えない…


俺には好きな奴がいる。そいつは俺の恩人。それでいて、兄貴の恋人。

二年前、俺は兄貴に恨みのある不良集団に囲まれた。武器を持ってなかった俺は、ボコられるのを覚悟でその喧嘩を買った。
案の定、俺は地に倒れた。トドメをさされると目を閉じた時、ざわめきの後に何かが吹っ飛ばされる音と風圧があった。
衝撃がいつまでもないもんだから、目を開けてみたら、大将格の不良が遠くで伸びてた。

『おい、あいつ、1年の坂田じゃねーか…。』
『まじかよ…、あの白夜叉か…。』

不良達から聞こえた坂田という名字と、視線を上げて確認した時に見た銀色の髪。
俺はその後、不良達が殴られる音を聞きながら気を失って、お礼は言えなかった。だから、銀魂高校教師である兄貴に、坂田を探すように頼んだんだ。
今思えば、それが間違えだった。


「んっ…、ちょ、おい…。隣、総悟くんいるんだろ…。」
「どうせこんな時間だ。寝てるだろうよ。」

俺の代わりに礼を言ってくれた兄貴と、その坂田先輩とが付き合うのに、そんなに時間はかからなかった。
週末は必ず、隣から甘い声が聞こえる。

「先輩…っ…。」

毎晩それをおかずにしている俺も、間違ってんのかもしれないけど。


――――――――――――


「お、そーごくんおはよう。よく眠れたか?」

どこか満ち足りたような、朝から眩しい笑顔で、坂田先輩は俺に話しかけてくる。
俺はそれを見て笑顔を作る。なるべく、この人にとっていい弟でいられるように。

「おはようごぜーやす。朝飯できてますぜ。」

俺が並べた朝ご飯を見て、目を輝かせる彼が、俺の恋人だったらと、切に思う。思ったところでどうにもならねーのは分かってるけど。

「先輩、今幸せですかィ?」

いただきますも無しに既にがっついてる坂田先輩に、微笑みを貼り付けたまま聞いてみた。その返事は、聞きたくねーくせに。

「幸せだぜ?…ありがとな。総悟君のおかげで出会えたから。総悟君は恋のキューピットだな。」

一瞬崩れかけた表情を立て直す。起きてきた兄貴に一発くれてやりたいところだ。

「おはよう先生。」
「おはよう銀時。早いな。なんの話だ?」
「何でもねーよ。」
「俺と先輩の秘密の話でさァ。」

朝から羨む二人の世界。
そのうち壊れてくれたならと願いながらも、幸せそうな先輩の笑顔は、見てて壊したくない物でもある。

「いつまでイチャこらしてんでィ。今日は2人で甘味処行くんじゃねーんで?」

俺の一声に、撫でたりキスをしたり、人の気も知らねーで乳繰りあってた二人はご飯を掻き込む。

「じゃあ行ってくる。」
「飯美味かったよ。ありがとな、総悟くん。」

坂田先輩は現地解散でそのまま家に帰るみたいで、俺とはここでバイバイ。寂しいもんでィ。
だが、明日からちょいと状況が変わる。

『明日から弁当一緒に食おうぜ。じゃあ学校でな、マイブラザー。』

まあ、少しは弟でもいいかもって思ってしまった。
先輩と少しでも一緒にいられるんだから。



――――――――――――

あとがき

え?何が書きたかったの自分。タイトルと内容合致してなくね?
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