NL

□秋
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昼下がり


3Z 沖(→)←神




昼の時間も過ぎて暖かな陽が入り込む頃、程よく暖まった机と満たされた胃、そして子守唄の様にも聞こえる黒板を走るチョークと気だるげな教師の声。
席替えで一番後ろになったのをいいことに寝てやろうそうしようと考えるも、隣に天敵が居たのを思い出してつい視線をやってしまった。

こちらが態々視線を寄越してやっているというのにコイツ、黒板から目を離しやがらない。なんだコイツ。普段ならそっちからちょっかい出してくる癖に。

不真面目な癖してノート取ってるフリしてんじゃネーヨ。なんて心の中でペッと吐き出すと今度こそ寝ようと机に伏せた。

コツン、

そうしてすぐに頭に軽く当たった感覚に顔の向きだけを変えて茶髪の方に顔を向けるといつもの腹の立つ嫌な笑い方をした野郎と目が合った。


「…ん」
「何アルカ」
「それ、読みなせェ」
「あン?」

それだけ言うと自分だけ伏せてしまった沖田に変なモノを見るような視線を送ってやった。
何自分だけ寝てんだコイツ。私だって寝たかったのに。

後で覚えてやがれと思いつつメモを開くと意外にも男の子らしい字が並んでいた。

(……何アルカこれ…ほんと、)

「ずるいアル…」

思わず溢れてしまった台詞が聞こえたのか隣で肩を揺らす相手から逃げるように今度こそ机に突っ伏した。きっと赤くなっているであろう顔を隠したくて。

返事はわかっているであろうアイツに後で何か奢らせよう。冷たく感じる机に頬を押し付けて目を閉じた。



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