黄笠【orange】

□黄笠 卒業式後
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卒業式の後

誰もいない体育館

俺は待っていた。先輩に呼ばれたから

(「話したいことがある」って何スかね?まま
ままままま、まさかのプロポーズ!?)

黄「……んなわけないっスよねーははっ」

笠「よお、待たせたな」

黄「先輩!」

笠「…」

黄「俺に話したいことがあるんスよね?何ス
かー??」

笠「ああ、その…」

俯いく。俺は次の言葉を待つ

笠「俺たち、別れようぜ?」

黄「…………え?」

(俺、耳が悪くなったんスかね?別れよう??)

笠「別れようぜ。黄瀬」

(聞き間違いじゃない。先輩は別れようって
言ってる…何で?)

黄「何でっスか!?俺!!…何で」

笠「悪い。お前には言ってなかったが俺、県外
の大学に行くんだ」

黄「え?でも…それでも!何で別れなきゃ…」

笠「大学行けば、忙しくなる。県外じゃ全然会えなくなる」

黄「遠距離恋愛ぐらい大丈夫っスよ!!」

笠「俺は、嫌だ。」

黄「っ……」

笠「慣れない環境じゃ苦労も続くし、お前との
関係だって…」

黄「でも!でも!」

笠「黄瀬、お前はモデルもやってるし、この関
係のせいで叩かれるかもしれないだろ?」

黄「それでも!」

笠「お前はカッコイイし…俺なんかじゃなくても、男なんかじゃなくてもきっといい女ができる」

黄「そんな!勝手に決めないでくださいっス!俺はっ先輩が!」

笠「後…俺はお前が嫌いだ」

黄「…」

笠「だから…別れよう」

俺はずっと考えてた…こいつと付き合い始めてからずっと


≪俺なんかでいいのか?≫


こいつはモテるし何で俺なんかに告白したのか

俺がこいつの恋人でいいのか…

大学が県外に決まった時

別れることを考え始めた。

遠距離は普通の恋人でも崩れることが多いと
知った

だから…

考えて考えて考えて、考えて

別れることを決意した


黄「嘘っス…先輩目が泳いでる…」

先輩は嘘をつくときや隠し事をしてる時とか目が泳ぐ


ぎゅうぅ


笠「抱きつくなよ、黄瀬」

黄「嫌っス!嫌…」

笠「ごめんな」

そう言って撫でる

黄「嫌っスよぉ…」



ちゅっ



笠「んっ…」

黄「先輩…俺、_____から…」

笠「っ…俺には関係ねぇ、じゃぁな」


顔を背け先輩は体育館を出て行った




真也「ん?どうした?黄瀬…涙が」

黄「え?あれ?俺……」

別れを告げられたことを思い出してたら涙が出てきちゃったみたいっスね

はは、情けない

黄「大丈夫っス。目にゴミが入ったみたいっス」

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