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□正月の挨拶 赤緑
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後ろから声が聞こえてきた。
マサラには人も家も両手で収まるほどしかないから誰かなんてすぐわかる。



「あ、博士。」

「外が賑やかじゃと思って外に出てみたんじゃよ。」

『あけましておめでとうございます!』

「おお!ゆみ、おめでとう。良い年が過ごせるといいな。」

『うん!』

「じーさん!お年玉は!?」

「はっはっは!グリーン、お前は新年から文字通り現金なやつじゃの。」

「ゲンキン?」



グリーンが目を開いて息をいっぱい吸っている。グリーン特有の興奮の前触れだ。
多分、グリーンは勘違いをしている。


「ほめられてないのよ、グリーン君。」

「え?」

「ちがうわよグリーン。」

「…え?」



結局お年玉はもらえなかったみたい。
残念だったね。私はこの後貰う予定だ。
レッドにも自慢してみようか。表情が乏しいレッドはどんな反応をするだろう。


「あ、そうだグリーン君」

「お年玉!?」

「あはは!違うわよ」

「じゃーなんだよー?」

「ゆみ、この後レッドくんに会いに行くみたいよ?」

「!!!」

『え?グリーンもくるの??』



少し嫌だった。
どうせ二人があっても喧嘩をするだけで、私が止める事になるから。
喧嘩をしちゃうなら会わせたくない。
どうして、何でもかんでも競い合っては喧嘩をするのか。


『…おとこってわからない。』

「ゆみちゃん…!どうしちゃったの!」

「ゆみ、アンタ男性経験ないでしょ!」

『うーん…。』

「…?わかんねーけど、ちょっとまってろ!すぐいくから!」


母から「オーキド博士には挨拶もしたからレッドくんのところへ行きなさい。」とのお達しが出たので
グリーンといっしょにレッドの家に向かった。
パジャマ姿から変わったグリーンは、緑色のつなぎを着ている。
なんだか、髪の色とも合わずこれもミスマッチしている様に見えた。



「おーいレッド??」


ガチャリ、とレッドの家のドアが開いた。



「…なんでグリーンがいるの。」

「だめか!」

「だめ…!」


わーわーあぎゃー、うおーん、あーあー


『もー…はじまったよ…』



会う度こうなるのはもう面倒くさい。
鉄槌を下そう。



『朱乃!なきごえ!』


「!!!!」

「ぎゃーーー!!」









「おれ正月の思い出ってそれしかねーんだけど…。」

『嘘をおっしゃい。沢山あるでしょ。』

「……耳元でなきごえはキツかった。」

『だって、3人揃ったら必ず喧嘩するんだよ?うんざりするじゃない。』

「レッドの言うとおりだっつの、あの時何歳だと思ってんだよ!」

『よし、朱乃。サイコキネ』

「すいません。」





END
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