*生前*
□生前1
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丁「わかりました、口調はくせです。気にしないでください。」
貴「わかった。誰もいない時、会いに来る。きっと、その方がいいのでしょう?」
丁「そう、ですね…」
丁は内心、驚いていた。
話しかけられたことにもだが、それよりも
人と対等に接してはいけないと言われていた自分が、友達というのを許したことだ。
関わってはいけないとわかっていたけれど、心の中ではきっと
人との繋がりを求めていたのかもしれない。なんて。
貴「時間、遅くなってきた。私はもう帰ります。また、明日あいましょう、丁」
丁「はい。おやすみなさい」
ただ、見つかってしまったら
見下してはこなかったあの人を、庇おう。少しでも、話しかけてくれたあの人を守ろう。
次の日からは、六弐は村の子と遊ぶのを早めに抜け、丁は押し付けられる仕事を早めに終わらし、
夕方から暗くなるまでずっと話していた。
丁のいるところへは人も来ないので、見つかることもなく
六弐は住んでいた国の事を、丁は言葉を教えて合ったりと
時間はすぐに過ぎていった。(小説って便利!)