変わらない光

□第2話
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「ナナシ!起きなさい!午前中のうちにトキワに行くんでしょ!」


「んー....今何時.....」


「10時!ポケモン達にはご飯あげておいたから、あとはあんたがご飯食べるだけよ」


「あーい....ありがと....」




せっかく気持ちよく寝てたんだから、もう少し寝ていたかった。


....という本音は隠して体を起こすと、布団の上にグレイシアが乗っていた。.....だからなんだか重かったのか。納得。

そして母さん、グレイシアだけボールに戻さなかったんだね。まぁ多分、グレイシアと戯れていたんだろう。あの人グレイシア大好きだし。


私がそんなことを考えているうちに、布団から降りて近寄ってきたグレイシアの頭を撫でてからベッドを降りて着替える。


そう言えば、昨日はグリーンからのあやふやで一方的な誘いに一体なんの用だろうとか考えてたらいつの間にか寝ちゃったんだっけ?結局なんの用なんだろう。....ま、今日行けばわかることか。


グレイシアをボールに戻して、机の上に綺麗に並べられたモンスターボールを全て腰につける。そして旅用のバッグを掴んでポケギアを腕に付けながら1階へと降りる。


朝御飯は食パンみたいだ。
朝はあまり食べないから丁度いい。


マーガリンを塗って牛乳を飲みながら完食する。苺ジャムもいいけど、マーガリンも美味いな。




「ごちそうさまー。それじゃあ行ってくるねー」


「気を付けてね」


「はーい」




玄関に向かいながら返事をする。靴を履いてつま先をとんとん、としてから玄関のドアに手をかけ、ふと後ろを振り向くとわざわざ見送りに来た母さんが居て、初めて旅に出た日を思い出した。


レッドとグリーンと一緒に初めてマサラを旅立った日。あの日もこうして見送ってくれた。


懐かしく思いながら、ボールからカイリューを出して、その背中に跨った。




「カイリュー、トキワまでお願い」




私がそう言うと、元気に返事をしたカイリューはトキワに向かって飛び立った。
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