memory3
□最期に……
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もう使えない魔法陣の中央に、ナギが立っていた。
「ナギ…。」
必死に手を伸ばす。気付いて。僕に……。
立っていられずに床に膝をついた。
その衝撃で体のどこかから血が溢れ出した。
「ナギ……。」
ナギがこちらを振り向く。その表情は驚きに満ちていた。
「エース!??」
真っ直ぐ駆け寄って来るナギの姿が、ぼやけて見えない。
溢れる涙が視界を塞ぐ。
「エース!!大丈夫か!?今ケアルを――。」
唱えようとするナギを手で制した。黙って首を横に降る。
「嘘…だろ?エース……、お前、もう……。」
僕は頷いた。
ナギの指が、僕の頬を流れる涙と血を拭う。