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□−limited heart−
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1.小牧幹久 ……
2.東雲椿 ……
3.堂上篤 ……
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貼り出される成績で、いつも私の上にいるのは誰だろうと、気になって仕方がなかった。
2年生になって初めての試験でも、彼は私の上に名前を載せた。

得点はいつも1点差。
堂上くんという人と3人で、いつも上位争いをしている。いや、争っているのではないが。

今回も負けてしまったなあ、と少し落ち込みながら、門へと続く道の桜並木を見ながら歩いていた。
ひらひらと、舞い落ちる花びらを目で追っていると、おそらく同じようにしていたのであろう1人の男子学生と目があった。

まるで時が止まったようだった。
彼の綺麗な瞳に吸い込まれた。

"一目惚れW

信じられなかったけどそれはまぎれもなく一目惚れだった。

どれくらいそうしていただろうか。
案外数秒のことだったのかもしれない。
はっと我に返って、2人同時にはにかんだ。



それが、小牧幹久との出会いだった。
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