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□−limited heart−
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小牧くんとはすぐに意気投合して、一緒にいることが多くなった。初夏、そこに堂上くんも混じり、残りの大学生活は3人で過ごすことがほとんどだった。
もちろんその間、彼らに彼女ができたこともしばしば。
そして女子である私は専ら相談役にされたものだった。
「椿は彼氏つくんないの?」
「私には無理だよ〜、ほら、理想高いから?」
「うわー、身なりにふさわしくないこと言わないでくれる?寒気がするよ(笑)」
「小牧、あんた殺されたいわけー?」
「そんなこと言ってるからダメなんだよー椿はさ」
「あーもううるさい、いい、私は1人を謳歌する」
なんて会話をきっと10回はした。
この頃から、薄々気づいてはいたんだ。
私は、叶わない恋をしていると。
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時は過ぎて図書隊に入隊した。
忙しさに恋心なんて忘れられると思っていたけど、ふとした時に助けてくれる彼に、より想いを募らせることになってしまった。
業務部と防衛部の壁を感じることは多かったものの、今まで通り飲みに行ったりもした。
2人から聞く失態話はいつも面白かったし、仕事の話をするときはかっこよかった。
そしてついに、彼らはタスクフォースとなった。
嬉しかった。
自慢の2人が、精鋭部隊に選ばれたことが。
そして業務部の私には今よりも接点が増えることが。
あわよくば、その背中を見つめていられることが。
だけど、彼が業務に関わるということは決していいことだけでは終わらなかった。