ツインテールと歪んだ日常

□第三話
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「やっぱり駄目だよなぁ」

池袋西口公園。空は正臣のナンパに付き合って平日昼間の閑散とした公園に来ていた。

同年代がいないこの場所で正臣がナンパをしているのはお昼に出ている社会人だった。
勿論、高校生にナンパされて頷く社会人がいるはずもなく連戦連敗中だった。

「正臣〜、まだ続ける?」
「おう、続ける続ける。」
「じゃあ俺、別の所に行ってくるよ」
「なにぃ?お前まさか一人でナンパするつもりか?」

まさかの解釈にあわてて空は訂正をいれる

「ナンパなんてしないよ」
「くっならば空!勝負だ!俺とお前どっちが多く女の子をゲットできるか!但しハンデとしてお前は声をかけてはいけない!」
「それナンパにならないから!」
「ええい、うるさい五月蝿い!お前が声かけちゃうとみんなついてくるだろ!お前は声をかけられた人の分しか数えちゃ駄目だぞ!」

と、正臣は言うと駅の方へ走っていく。
暫く見ていると買い物袋を下げた子連れの主婦に声をかけた。

「(あの子一昨日黒バイクの人を見てたツインテールの子だ)」

今日も年のわりに完成された可愛いツインテールを見れて嬉しくなった空はその美しいツインテールを風に靡かせながら駅の東口の方へ行く道を歩き出した。
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