Ride the Wind

□第八話
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ビアンキがつかさの家の居候になってから数日
沢田家では例年通り大量のそうめんを消費するため三食そうめん生活4日目に突入していた。
沢田家へ届く夏のお歳暮は居候が増えた影響で量が増えたが奈々が気にする様子はない(なぜなら名義は全部父方の親戚から送られていることになっているためお返しする先は1件だ)

つかさは食が極細の為(甘いものならその限りではない)なかなか箸が進まない
そんなことをしている間につかさの分もそうめんが居候たちのおなかに入っていくのが恒例になりつつあった

「つかさ、今日は家庭科の実習をするわ。準備したら呼ぶわね」
「おなかいっぱい食べた後に家庭科はきついなー」

なぜなら食べ物を作ったら食べるまでが家庭科実習だからである
なんとかお裁縫系の実習にならないだろうか。
そんなつかさの願いもむなしくビアンキは台所に消えていった。
調理実習確定である

その時沢田家のインターホンが鳴り外から「10代目ー」と声が聞こえた
つかさが外に出ると獄寺が夏っぽくラフな服装でスイカが入った網をもって立っていた
獄寺は初めて見るつかさの私服姿に少し顔を赤らめる
と、いうのも今日のつかさはいつもの不思議ちゃん全開な服ではなく先週一緒にショッピングに出かけた際京子が「つかさちゃんはこういう服も似合うと思う」と言って全身コーディネイトした服の一つなのだ
少しだけゆとりのある白いブラウスに黒いショートパンツをはいている。家の中はクーラーが効いているからだろうか黒いカーディガンを羽織っている
つかさがこんなシンプルな服を着ることはかなり珍しいのである。

「あ、あの10代目!!このスイカ一緒にどーすかめちゃくちゃ甘いらしいんすよ!!」

赤い顔を悟られないように獄寺は声を張り上げてつかさにスイカを差し出す

「ありがとうございます。どうぞ上がってください」

と、そこまでつかさが言ったところで不意に獄寺の手から力が消えてスイカが重力に従うように落下する
しかしすでに差し出されたスイカを受け取ろうとして手を伸ばしていたつかさがとっさにキャッチする

「獄寺さん…?」

つかさが獄寺を見るとさっきまでつかさを見て顔を赤くしていたとは思えないほど真っ青だった

「アネキ!!」

獄寺の目線の先にはビアンキとリボーンが立っていた
この場合確実にリボーンは獄寺の姉ではないのでビアンキをさしているのだろう
次の瞬間獄寺のお腹からぐきゅるるという音がし、おなかを押さえながら獄寺は「失礼します!!」と沢田家から遠ざかっていった

それを見送るしかできなかったつかさは口を開いた

「獄寺さんとビアンキさんって姉弟なんですか?」
「そーだぞ。腹違いのな」

たしかに言われてみると何となく似ている気はする(一途なところが)
つかさは黒神さんたちも異母兄妹だとは言ってたけどあの三人は仲良かったのになぁと思っている
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