ネオロマンス短編小説
□蔵の巻
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あかね、頼久、天真、詩紋の四人は土御門殿の蔵を掃除をしていた。
「ふーう。大分、片づいたね」
「そうだな」
あかね天真は棚に荷物を降ろすと、手の甲で汗を拭いた。
「じゃあ、お茶でも飲みながら一休みしよう」
「そうだね」
詩紋の入れたお茶を四人で飲み始める。
「は〜あ。一段落した後に飲むお茶は和むねぇ〜」
「ぷっ。お前、年寄りみたいだぞ」
あかねの年寄り臭い発言に天真は小さく吹き出し、笑った。頼久と詩紋も微笑する。
「でも、茶を飲むと甘い物欲しくなるよな」
「それなら僕、お茶請けのお菓子持ってくるよ」
詩紋が立ち上がり、蔵の取っ手に手をかけた。
──その時。
グラグラ。
ドサドサ。
「「あぁああああ!」」
「きゃっ!」
「神子殿!」
突如、地震が起き蔵の物が棚から落ちてき、しばらくすると揺れは治まった。
「あかね大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ」
幸い、四人とも怪我はないらしい。
「結構、大きい地震だったね」
「ああ。とりあえず外に出ようぜ」
扉を開けようと蔵の取っ手に、天真が手をかけようとするが。
「──あれ?」
「どうしたの? 天真先輩」
天真がゆっくりと詩紋の方を向く。