暗闇の中で

□第1話-居場所
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私には居場所がない。

小さいころに両親は離婚し母に引き取られたが交通事故で母は他界

父親とは連絡が取れず引き取り手のいない私は親戚をたらい回しにされ学んだ

人は合わせなければ生きてはいけない…
居場所がなければ生きていけないということを。

転校するごとに自分の性格を変え
自分の居場所を作るためにただただ周りに合わせ生きてきた

今は並盛というところに落ち着いているが親戚は
家にほぼいない状態で結局ところは周りに合わせ
居場所を必死に維持し息苦しく生きていた。

そして小学生の頃に同じクラスだった
志塚 唯が転校してきてから私の学校生活はガラリと変わった

志塚さんは私がまるで別人だ、あいつはキャラをかぶって皆にこびている

などと言いふらし、クラスで権力の
高い女子4名と組んで私をいじめてきたのだ

そして8月に事件はおきた

私は呼び出され暴力を受けていた…
でもその日はむしゃくしゃしていて
殴ってきた志塚さんを強く押し返した

志塚さんは反撃されると思っていなかったせいか
あっさり体勢を崩し大きな石に思いっきり頭をぶつけ泡を吹き血を流し始めた

その瞬間、頭が真っ白になり
やけに蝉の声がうるさく彼女たちの声が大きく脳内に響き渡った…
”アンタの人生これで終わりね”と楽しそうに笑っていたのだ、
自分の居場所がなくなるのが怖い。

そう思った時には大きな石を手に取り彼女たちを殴り殺していた

死体を処分しようと考え私は焼却炉に3体の死体を入れた

5体一気に流石に入らず2体の死体を残し焼き始める

焼却炉の扉の隙間からぷすぷすと煙が漏れ出す

煙突からは白から灰色、そして黒になった
煙がもくもくと天に昇っていた

1時間半ほど経ち日は沈み暗くなって
煙はいつの間にか灰色へ変わっており
辺りは酷く臭っていた

焼却炉の扉を開け骨をどう回収しようか考えていると
夏休みだというのに焼却炉が使われていること、
辺り一体異臭が酷く誰かが通報したのであろう
パトカーの音が近づき校門辺りで止まる

私は怖くなりその場を逃げ出した

自宅に帰り汚れを落とすため入浴するが
鏡に映った自分は時々不気味に微笑み返り血を浴びていた

洗っても洗っても手は赤く水も赤い…
そして私は自分に言い聞かせる

今日の事は事故だと。
私に殺意はなかったと。

「今日は疲れたしもう寝よう…」

悪い夢なら明日には覚めるよね?

そう鏡の私に向かって呟き寝室へ向かうが
残った死体が気になって
寝ようにも眠れず結局朝を迎えた

死体の確認をしに
並盛へ向かうが警察が多く
近づくことさえ出来なかった。

そして夏休みが終わる一週間前には
ニュースで”5人の女子生徒行方不明”という
内容で取り上げられ、
私は警察で事情聴取を受けるが
物的証拠がないという事で呆気なく開放された。

残した死体はなぜか見つかっておらず
よくわからないまま私は2学期を向かえた。

学校へ行くと私は犯人扱いで
結局居場所はなかったが捜査は
突然行方不明から家出へと変わり終了した。

噂も消え何事もなく2年にあがりいじめが
始める前のような生活を私は送っている
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