色彩
□プロローグ「3→2」
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目を開くとそこは上下があるようでないような…よくわからない空間に私はいた
色の付いた私がいつも暮らしている場所が下にあって
見上げればあるはずの空はそこにはなくどこかで見たことある風景が広がっている
でも上の世界には色が付いたり消えたりしてる、
モノクロかと思えば鮮やかに色が付いて煌いていて
興味本位で手を伸ばし歩くと下に引っ張られるというか
落ちる感覚に襲われ怖くなり目をつぶるが先程までの浮遊感と
落下する感覚は消え地に足が着いている感じがし目を開ける
私は真っ白な砂と茜色の空が続く地平線に立っていて
後ろから強い風を感じ振り返ると私の世界があったが
突然世界は消え崩れ始めたと思えば
違う世界に変わってゆくモノクロに変わってゆくのだ
『こっちだ』
声が聞こえたような気がして前を向き走り出す
後ろは怖くて振り向けない、いや振り返ってないはいけない気がする
だから私は走る、気のせいかもしれない
声が聞こえた前のほうへ、前の方へ…
木の葉が舞うように何かが風に乗り横を吹き抜ける
---そして世界は反転した