待愛

□待愛
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『昴にいー、ねぇねぇ、おっきくなったらお嫁さんにしてくれる?』
『そうだなぁ、結婚できる歳になったときにまた考えてあげるよ』



あれから、12年。
従妹の杏は、法的にも結婚が認められる16歳になった。
小さい子の戯言だと理解していても、俺はずっと杏を女として見てきたし、他の男のものにならないように見張ってきた。
杏も思春期になっても俺の部屋に勝手に上がり込んでくるくらいだから、嫌われてはないはず。
そう思っていたのに…………


「……は?」
「だからね、彼氏が出来そうなんだ。突然でビックリして返事出来てないんだけど、オッケーしようかなって。へへ、昴にぃよりも先に恋人できちゃったねー」
ニコニコとしながら、残酷なことを平然と言う杏に苛立ちを隠すことができなかった。
俺はずっと見てたのに、待ってたのに。
お前を汚すのは俺だけだと思ってたから…
自分の中のどす黒い感情が渦を巻き、俺はベッドに座っている杏を押し倒した。

「………え?…」
「許さねぇぞ。他の男なんか…杏は俺の嫁になるんだろう?」
「………は?何言って……」
「昔、杏が言ったんだぜ?俺の嫁にしてくれって」
「なっ……そんなの小さい時でしょ?そんなの……」
「ずーっと待ってた。お前が16になるまで……もう結婚できるもんな。なぁ?そんなガキより俺の方がいいだろ?金もあるし」
「……す、ばる…にぃ……ねぇ、おかしいよ?離して……っ痛…」
俺を受け入れようとしない杏の押さえ付けている手首に力を込め、俺は優しく微笑んだ。

「昨日から杏の両親いないんだよな?帰さないよ?杏、選べ。自分から俺の嫁になるか、今夜既成事実作るか。」
「……既成、事実?」
「……当たるかは五分五分だが……一晩中流し込めば、出来る確率は高くなるよな?…赤ちゃん」
「…………ひっ、いや、いやだ。赤ちゃんなんて……!」
「なら、俺の嫁になるな?」
「……やっ…何で……」
「俺は昔から待ってた。やっと16になってこれからだと思ってたのに、お前が訳のわからないこと言い出すからいけないんだぞ?……ちゃんと今選べ。俺の嫁になるなら、大事に優しく抱いてやる。もちろん避妊もちゃんとしてやる。拒むなら……痛みしかねぇぞ?それに、孕むまで中出しだ。そうなりゃ高校も行けねぇなぁ?」
「………やっ…お願い……怖い…痛いのや…」
「だから、選べ。」
俺は、じっと杏を見つめた。
杏は、涙を浮かべながら怯えた目で俺を見て、ゆっくりと口を開いた。

「……あ…あ、……昴、にぃのお嫁さんに……なり、ます…」

「杏…愛してるよ……」
俺は満面の笑みを浮かべて杏に口付けをした。
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