魔愛

□3話
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「いつまで寝てるつもりだ?」
「…………ん………っ、あれ……?」
荏摩が目を覚ますと、さっきまでとは違う、いつもの見慣れた自分の部屋にいた。
「え……何で……」
「戻ってきた。私もとりあえずは満足したからな……それに、こちらで仕上げを始めないとな」
「……レヴィ?……はっ、今いつ!?」
荏摩は時計を見たり、テレビをつけたりして日にちを確認すると、琉雅に連れていかれた日の夜のままだった。
「………うそ……あの日のまま……?」
「だから言っただろう?我の世界は時間など関係ないと……それよりも身体が辛かろう?」
「…………っ、」
何日経ったかわからないほど二人に責め続けられた体は、全身が筋肉痛になったみたいな痛みを発していた。
それよりも、本当に世界も何もかもが違うと痛感させられたことが、荏摩の心をザワザワとさせていた。
まだ、荏摩自身理由がわからずにいた。

「明日は休みだがどこか行くか?」
「……ん、別に家に居ても……行きたいとこあるの?」
「いや、特にはない………荏摩……」
RRRーー
「………チッ」
邪魔されたことにあからさまに不機嫌さを表し、琉雅は電話を取った。
『あ、水沢さーん?木村ですぅ。今、部の数人で飲んでるんですけど、来ませんかぁ?係長もいますよー』
「……悪いな、先約だ。」
『えー……』
琉雅はそれだけ言うと、相手が何かを言いかけた途中で通話を切り電源まで落とした。
「……ちょ……いいの!?」
「構わぬ。下らん会社の女だ、ウザくて堪らん。ここでは時間が限られてるからな、邪魔などさせん」
「……レヴィ……」
「お前のも貸せ」
荏摩は苦笑しながら携帯を渡した。
琉雅は電話を落として返すと、荏摩の腕を引き寄せ唇を重ねた。
「んぅ……ふっ……」
クチュクチュと舌を絡めながらたまに舌を吸い、端から涎が零れるのも気にせず口内を貪った。
「……っ、は……はぁ……」
「今宵は我慢してやる……が、欲しくなったらねだれ」
「……はっ……、んんっ……っ…」
琉雅は零れた涎を舐めとりながら、また唇を重ねた。
後頭部を持ち逃げられないようにしつつ、服のうえからやわやわと胸を揉む以外、ずっとキスをし続けた。
荏摩は、今までの激しい責めが染み付いていて、お腹がキュンとなり、もどかしくて胸を触っている琉雅の手に自分の手を重ねた。
「……どうした?…」
「……っはぁ…キス…ばっか……」
「なら、どうして欲しいか言うのだ」
「あっ、…あっ……抱、いて……レヴィが…欲し……」
顔を真っ赤にしながらも、か細く言った荏摩に琉雅はニヤリと笑うと、ベッドに押し倒し服を全て脱ぎ捨てた。
「キスだけでぐちゃぐちゃだ」
「やっ……言わないでっ……んあぁっ……!!んんぅ…っっ……」
指で確認するまでもなく、足を開くとてらてらと濡れているのが見え、琉雅は恥ずかしさで顔を隠している手を外しベッドに押し付けると、キスをしながらそのまま自身を埋め込んだ。
「んんーーっっ……!んふぅ……っ、…」
待ち望んだ熱が挿入された瞬間、キュウッと締め付けながら荏摩はイッた。
琉雅はこの夜、ずっとキスをしながら普通のセックスを楽しみ、荏摩が限界を迎えるまで優しく抱き続けた。
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