07-GHOST
□職場
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おはようございます!
受かったはいいけど、同期が1人もいないボッチな俺、コウ=アラチです!
ただ今、下っ端のはずなのに戦場にいます。でも1人も殺してませんよ!
はい、嘘です。殺しました。というか、最初の戦場で活躍し過ぎて特攻隊長みたくなっています。精神的に辛いです。でも給料が良いので、辞めません。今、バルスブルグ帝国の隣国の小国に来ているんですが、徹夜なので朝日が目に染みて涙出てきそうです。
「あ"ー辛い。そろそろ労働基準法に違反してないかな、これ。訴えたら勝てそうな気がするだけどっ!・・・ちっ、今回数が多いんだけどおおおおおおお」
この小国は、国土はちっさい癖に人口はやたらいるので、その分軍人がかなりいる。今現在、俺を囲む様にして20人ぐらいが集まっている。20対1って何さ!?殺す気か!
実際負けたらバルスブルグ帝国に、国を支配されるから必死なんだろうけどさ・・・何か、動きに違和感があるが。
少しくらいさ、優しくしてくれたって
ザクッ
「っ、してくれねーよなあ、そりゃあ。おらぁ!」
肩を刺された。痛い。
刺したお返しに、まわりにいた5人くらいを斬り飛ばした。吹き飛んだ衝撃に巻き込まれた残りが、倒れ込んだ隙を見逃さず仕留めていった。
「はっ、きっつ・・・」
あと狩るべきなのは・・・
俺は一々止まって相手をしているほど余裕はないので、全速力で城の最上階のまで走った。走っている間に襲いかかってきた敵は、すべて斬り倒した。
そしておよそ2分くらいで最上階に着いた。しんどい。
少し息を整えてから、扉を開けた。
王座の上には齢90くらいのお爺さんが座っていた。だが王冠を被っており、なにより王たる風格が僅かながらもあり、このご老人こそ、このフィヨルド国のガト王なのだろう。
「突然の訪問申し訳ありません。ですが、我がバルスブルグ帝国はフィヨルド国が降伏するまで、攻撃を止める気はありません」
「いや、むしろ好機なのだ」
好機・・・・・?どいうことだ。
「どういう意味で?」
「私が至らないばかりに、我がフィヨルド国は麻薬に汚染されてしまったのだ。私が気づいた時には、時既に遅く・・・国民はもちろん、臣下でさえ薬の虜になっておった。このままフィヨルド国が降伏した所で、バルスブルグ帝国が麻薬で汚染されるだけだ。ならば私諸共、滅ぼしてもらえばこの国の恥は後世には残らん。滅んで良いのだ」
この王は、自らの手で護ってきた国を終わらせようとしている。それはどれほどの覚悟なのか、俺には全く分からないが、相当悩んだであることだけはわかる。