07-GHOST

□ピーク
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ここで1つ、話をしよう。

俺こと、コウ=アラチ・・・いや、荒地孝にはある秘密がある。それはこの世界の人間ではない、ということだ。経歴を調べようとも、軍人1.2に拾われる以前のものは一切出てこない。存在すらしていない、が正しいのだが。
孝が元いた世界で、この世界はある漫画だった。それは“07-GHOST”と呼ばれる漫画だ。つまり、孝はこの先の流れを知っている。


「でも、知ってるっつってもな。手が届くかどうかなんだよなー」


少し愚痴る。今回の仕事は、協定を破ったラグス王国の制圧だ。話を知っているからか、少し良心が痛む。それでも仕事だから、軍人だからと言い訳をしていつでも出撃出来るように準備している。

あれ、これ相当の悪党じゃね。


「本部より、出撃命令だ。行け!」


あーとうとう来ちゃったよ。

・・・行きますか。


乗っていた戦闘機の扉が開き、迷うことなく一歩踏み出し、そのまま飛んだ。着地は敵陣のド真ん中。綺麗に着地すると、風圧で乱れた服を直し、敵を見据えた。


「さて、仕事だ」


刀をいつもとは刃を逆にして、まわりにいた敵をなぎ倒していった。今回は今までの戦場の比じゃ無い程、手練が多い。大地をも割る特殊な剣技はラグス特有のものなんだろうか?そんなことを考えながら、斬っていると、無線が入った。

・・・聞きたくないなー


「想像以上にラグス王国の勢力が強く、我が軍がおされている。これよりブラックホークが増援として戦場へ向かう。せいぜい巻き込まれるなよ」


来 ん な よ

最後腹立つな。見てみろよ、他の皆さん米神に青筋浮き上がらせて、イライラしながら刀振るってるし。え、コレ作戦とか?・・・いや、絶対に違うだろうな。


さてと、ブラックホークが来る前に救える数を増やしておきましょうかね。

コウのまわりには、斬った数にしては少ない量の血があった。



・・・っ


ん?何か聞こえる


・・・ゃああ


悲鳴?


ぎゃあああああ!!

だんだんと悲鳴は近づいてくる。いや、悲鳴が近づいているのではない。悲鳴を作り出している人物が近づいているのだ。

そして徐々に黒い点が見え、数秒後にはその黒い点は人の形になっていた。

その人物はバルスブルグ帝国軍少佐であり、黒法術師部隊「ブラックホーク」のメンバー

俺が士官学校時代に、1度だけ会った殺人犯の

ヒュウガ、だった。
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