ひとつなぎの海賊
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『海軍本部より緊急司令!
サクウメ島にてヒューマンショップに参加していた天竜人ピーグット聖が襲撃された模様。犯人の人数は不明。
至急、大将たちは出撃されたし!!』
この日は海軍本部は騒がしかった。
「はぁ〜……めんどくさいねェ」
大将青キジことクザンは愛用のアイマスクを取りながら執務室で怠そうに欠伸をしていた。実を言うと、今本部にいる大将は青キジ1人だけだったりする。必然的に出撃しなければならないのだが……やる気はゼロ。
「仕方ない。サクッとやってサボろう……」
白い正義のコートをかけ、やはり怠そうにサクウメ島へ向かった。
「そっち奴隷の確認は済んだか!?」
「はい!店主から拝借した名簿道理だと全て確認取れています!」
「よし!なら別々に分けて入れておけ!」
「はっ!」
部下の海兵が去っていく後ろ姿を見ながら、現場に着いた青キジはあることを察していた。
「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」
「た、大将青キジ……!何でしょうか!」
「出撃命令聞いて来たんだけど犯人は?」
「はっ!犯人は若い女性が1人だけでありました!どうやら天竜人ピーグット聖の発言に対し激昂した後襲撃したと思われます!」
「あらら……随分と無謀な。その子はどうしたの?」
「はっ!今は気絶しているため別室に閉じ込めています!」
「なるほどねェ……」
クザンは無駄足になったことを残念には思っていたがそれより、無謀にも天竜人に1人で立ち向かったという女の子が気になっていた。
「犯人が捕まってるんじゃオレやることないよねェ〜……会いに行ってみるか」
別室にいうという犯人に会いに行くことにしたクザン。
これから会う人が、長い付き合いになる何回目か分からない出会いになるなんてことは誰も知らなかった。