NARUTO

□トリップ4
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後に森乃イビキは語る。

「あんなアホは初めて見た」と。


主人公side

「よろしくお願いします・・・?」

私の拷問を行う人が拷問のスペシャリストの森乃イビキだと言われ、頭が真っ白になっていた私がこの世界の人へ言った初めの言葉がこれだった。アホ丸出しだ。死にたい。
ほら、イビキさんだって顔しかめてるじゃん!!

「・・・まぁいい。これから拷問を始める。隠していることを吐かなくてもいいが、その場合は死を覚悟するんだな」

「・・・」

「ではまず、お前の名前は何だ?」

「私の・・・名前は、坂下紫乃と言います」

私は震える声で答えた。イビキさんは特に反応もしなかった。まぁ、当たり前だが。イビキさんは直ぐに次の質問をしてきた。

「次だ。何故あの場にいた?」

「それは・・・」

口ごもる。正直に白状していいが信じてもらえるか分からない。黙っているとイビキさんはため息を1つして部下に何かを言った。一旦出ていった部下は直ぐに帰ってきた。
・・・その手には鉄製の器具を持っていた。

何も見えないが嫌な予感がした私は俯いた。イビキさんは器具の1つを持ってニヤリと笑った。

「怖いか?安心しろ・・・


こう使うだけだ」

ブチ、ブチブチブチッ

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

イビキさんは多分ペンチのような器具で私の爪をゆっくり剥いだ。皮膚が引っ張られる痛みがなくなり、後に残ったのはじんじんと続く感じたこともなかった痛みと燃えるような熱だった。

「お前は何故あの場にいた?」

「はぁ・・・はぁ・・・私は、異世界から来ました。あの場にいたのは目を、開けたら・・・あ"あ"あ"あ"っ!」

もう1枚剥がされた。

「もう少しマシな嘘をつくんだな」

「・・・本、当です」

「異世界などあるはずない」

「・・・」

私は唇を噛み締めた。信じてもらえるとは思っていなかったが、いざ言われると胸に刺さる。それでも何も言わなければさらに酷くなるのはわかっている。痛みで頭がおかしくなりそうだったが信じてもらおうと、必死に話した。けれど・・・

「話しにならんな」

ボキッ

「ーーーーーーーーーーーーっ!!」

片腕の拘束を解かれ何をされるのか身構えていると、腕を逆向きに曲げられ折られた。声すら出なかった。涙が止まらない。視界がぼやけ私の意識は真っ暗になった。

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