黒い鎖と勿忘草

□寄り添えること
1ページ/1ページ

たくさんの人で賑わうへネシス

お祭り真っ只中の楽しい雰囲気の中に彼はいた


(なんで来ちゃったんだろう……)
心の中でつぶやく
涙が零れそうになる

それは数分前の出来事だった

お祭りがあることを知らず、たまたまへネシスに来た隠月は折角だし とお祭りを見て回る事にした。
賑わう街に 屋台の香りに 楽しげな声、たった1人でも充分楽しく過ごせる。そんな空間だった。そう、たった1人で。
ふと主催者側のテントに目をやるとそこにはかつて共に戦った仲間達が揃って雑談していた。
しばらく目が離せないでいるとこちらに気付いた少年 エヴァンがどうかしましたか?と尋ねてきた。
「あっ…いや……何でも無い……」
その少年があまりにもフリードに似すぎていてスムーズに言葉を出すことができない。
エヴァンが何か言おうとしたが、隠月は逃げるかのようにその場を立ち去った。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ