人生は試験だ

□お宅訪問編
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「…リクヤくん…さっきの本は一体何だったの?」


そうして部屋に戻ったリクヤに皆が質問を投げつける。


『あーうん…あれは……薄い本といいますかなんと言いますか…俺の趣味と言うか…ね…?』


カナの質問に濁しながら答える。


「もしかして奴良くんは腐男子というものなのかい?」

『ワカメってなんでこんなに初めから確信を付いてくるんだろ俺怖い』

「ありえんわ…私の中の奴良くんのイメージが変わっていく気がする」

『俺のイメージって一体どんなだったの』


ふと、思ったリクヤがみんなにきいてみれば、様々な答えがかえってくる。


「大切なマイファミリーだよ!」

「時々ニヤつく変わったお兄さん?かなぁ…」

「時々お節介で大阪のオバチャン見たいっすね…」

「何事も冷静やなぁって」



みんなの俺のイメージ聞いてて思ったこと…もっと学校でテンション高くしてた方が良かったのかなと。
でもこの様子だとみんなこんな俺でも受け入れてくれるみたい。俺嬉しい。



『さっきの俺もみんなもビックリしたと思うけど…「おぅリクオ、友達かい」…ん??』


リクヤが何かを言おうとしたが、ぬらりひょんを先頭に部屋に入ってきた鯉伴に遮られる。
入ってきたぬらりひょんをみてリクオはひっくり返る。


「あっ」

「どうもおじゃましてます」


リクオも驚きを隠せてない様であるがワカメが珍しくも礼儀正しい、ということにリクヤは驚きを隠せない。
勿論リクトも突如現れた2人に目を白黒させている。


「おーおーめずらしいのう。お前が友達をつれてくるなんてな、アメいるかい?」


驚いている3人をそっちのけでぬらりひょんと鯉伴はみんなに挨拶をする。


「どうぞみなさん、これからも孫のことよろしゅうたのんます」

「いつもコイツらと仲良くしてくれてありがとうな」


ウインクをしながら言う鯉伴をみて、リクヤはここに鳥居や巻が居れば黄色い歓声が上がっていたんだろうなと考える。


「あ…ハイ…」

「まかして下さい!!しかしこのアメまずいっすねぇ!」


宇佐美さんちのアメを食べている清継を見てリクトがボソリと呟いた。


「なんでそのアメあげたんだよ…」

『それになんで父さんまでもいるんだよ…』

「いいじゃねぇか、なぁ?リクヤ」


肩にのしかかってきた鯉伴を横目に呟いたリクヤに、更に鯉伴がすりすりと近寄ってくる。


『うわ、酒くさ…!ちょっと父さんさっきまで飲んでただろ!!』


酒気をまといすりすりと寄ってきた鯉伴を押しのけ引き離す。


「いいじゃねーかよぉ…冷てぇなぁ」


そう言いながら再び近寄ってくる鯉伴を引き離すことは諦めたのか、そのままリクヤは鯉伴をくっつけたまま清継達のはなしを聞くことにした。

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これにてお宅訪問編は終了致しました。
次は旧鼠出てきます。
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