師匠的な?
□出会い
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「っなんだアレ
攻撃が全然効かねぇ!!」
若かりし頃の宇髄天元は須磨、まきを、雛鶴を連れ鬼から逃げていた。
逃げ始めてからはや数時間、さすがに疲れが出てきたのか須磨が遅れ気味になる。
「すみません!もう無理です!!天元さまぁっ!!」
「須磨!?」
少し前を走っていた宇髄は失速する須磨を小脇に抱えることにした。
速度は落ちるが見捨てて行く訳にもいかない。
鬼のスピードも落ちてくれれば願ったり叶ったりだが、当然落ちるはずもなく宇髄たちとの距離はグングン狭まり、遂には追いつかれてしまった。
「くっ……」
宇髄が鬼を睨みつける。
色々と反撃してみたが、鬼が硬すぎて傷ひとつ付かないうえ、万が一付いたとしても直ぐに回復してしまってもう戦うすべがない。
ここまでか、と迫ってくる鬼の手に思わず目を瞑った。
その瞬間、雷鳴が轟いた。
宇髄は驚いて目を開ける。
そして思わず瞬きをしてしまった。
先程まで目の前にいた鬼の頭がなく、切られたところからボロボロを崩れていっていたからだ。
『大丈夫かい?』
鬼の首を切ったと見られる刀をしまった人影が現れた。
「これ、アンタがやったのか?」
『ええ、そうですとも。
アレは鬼と言って、私達鬼殺隊が倒して言ってるんです』
その人影は宇髄より少し小さく、少年のような声で話した。
月明かりに照らされたその顔は整っており、少女のようであった。
「すげぇな!」
『そうですかい?えへ、ありがとうございます』
宇髄が賞賛するとその鬼殺隊士は少し照れたように微笑んだ。
「そういや、さっきの雷の音はなんだったんだ?」
『あぁ、それ、霹靂一閃って型をすると出るんです。こう、ドーンって』
鬼殺隊士は4人の前で少し実演してみせる。
それをみて宇髄は目を輝かせた。
「ド派手にカッコイイじゃねぇか!」
『そ、そうかい?これは雷の呼吸って言って、幾つかある呼吸の一つなんです
…やってみます?』
「天元さま!やってみましょう!!」
「私も見てみたいです」
鬼殺隊士が宇髄に勧めると須磨達も賛同した。
……ということで夜は野宿をし、朝から呼吸の練習を少ししてみることとなった。