人生は試験だ

□旧鼠編
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「ちょっとリクヤどこ行くの!」

『あ〜今日新刊の発売日だからちょっと本屋に行ってくる!』


そういいリクヤは夕飯を運ぶ準備を始めたである台所を抜け、屋敷から出た。

向かう先は──そう、一番街。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

「ゆらちゃん!」


独り一番街を歩いていたゆらは、名前を呼ばれて振り向いた。


「あ…えと…家長さん…?」

「私って…まだ修行が足りひんわ…本当にいると思ったのに…奴良くんに失礼なことしてもーた…」


先ほどの出来事を思い返してみたゆらは、自信が起こした行動の数々に後ろめたさを感じていた。
すると突然ホストの男に声をかけられた。


「わっ、女の子が落ち込んでるよ〜ひーろった!オレの店まで持って帰っちゃおーっと。
それともどっか行く?いーねそれも!!僕と一緒に遊ぼ…」

『ちょっと待ったァっ!』


突如、輝かんばかりの笑顔で近づいてきたホストの前に、その勢いを遮るかのようにスッとリクヤが入り込んできた。


「リクヤくん!?」

『悪いなホストの兄ちゃん。この娘らは俺の連れなんだわ』


身長が足りないので、下から見上げつつニヤリと口角をあげれば旧鼠は激昴した。


「なんだこのガキは…っ!」

『えー俺のこと知らない?マジか〜俺そんなに知名度低い?
…じゃあ旧鼠さん、貴方を倒せば俺の知名度上がりますかね?』


リクオのことは知ってるのになんで俺のこと知らないんだよ、と何故かムカついたのでさらにもうひとつ…人の良い笑顔で普段言わないような口調でいってみる。


「ちょっと奴良くん何言ってるんや!」

『え〜だって登場シーンだもの、かっこよくいきたいじゃないか』

「舐めやがって…っ」

『ぐは…っ』


止めにかかったゆらに笑顔で答えていれば旧鼠の蹴りがリクヤの鳩尾へはいる。
その、蹴られた勢いで右にあった路地裏へと飛ばされる。
そのまま路地裏のコンクリートで出来た壁にぶつかり、リクヤは背中と後頭部を強打した。

その様子を見たカナやゆらは急いでリクヤの方へと駆け寄った。


「リクヤくん!大丈夫?」

「奴良くん大丈夫なんか?」

「分からない、意識が無いみたいなの…」


そのようにして2人がリクヤの心配をしているうちに、旧鼠率いるイケメンホスト軍団がじりじりと寄ってきて、逃げ道をふざがれた。


「おとなしくしてりゃあ…痛い目見なくてすむぜぇー」

「…ねずみふぜいが粋がるんちゃうわ、後ろに下がって家長さん」


そう言ってゆらは式神を構えステップを踏み始める。


「禹歩 天蓬 天内 天衝 天輔天任 乾坤元亨利貞 出番や!!私の式神!!貪狼」

「貪狼、あいつらネズミや食べてしもて」
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