人生は試験だ
□伏見稲荷編
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──時はリクオがイタクたち遠野妖怪を連れて奴良組本家へと帰ってきた時のこと。
黒田坊は淡島に突っかかり、納豆小僧と河童は遠野妖怪と話始めるなどしている。
「リクオ様…?こ、これは一体…」
そうした遠野が奴良組本家にやって来た騒ぎの中、首無と毛倡妓がリクオの元にやってきた。
「遠野モンだ
ちょっくらじじいにアイサツしてくっから面倒見てやってくんな」
「あれが…遠野妖怪?」
「!…リクオ様京都に行くんですか!?」
「ああ、盃を交わした奴は…支度してくれ」
リクオは首無に伝達を頼むといった感じで答える。
その時、後ろの障子が開いてぬらりひょんが出てきた。
「リクオ…帰ってきたのか」
「……おう」
「こっちへ来い
話がある」
リクオを珱姫の仏壇がある部屋に呼んだ。
「帰ってきたってこたぁ出られたってことだな
何か得られたかい?」
リクオは一度ぬらりひょんを見てから左の方へ目を流して答える。
「………どうかな
まぁ"ぬらりひょん"って妖怪が何なのかってのは…わかったかな」
その答えにぬらりひょんはそれが分かってりゃ上等だ、といった顔をした。
「そうかい
じゃあ───」
「ああ、これから京都に発つ」
リクオがそう答えた次の瞬間、ぬらりひょんはドスで斬りかかった。
しかし、リクオはそれを鏡花水月で交わす。
「おお〜よくできてるじゃねーか
ま、好きにするがええさ
お土産に八つ橋よろしく」
ドスを肩に担いでぬらりひょんは言う。
前回の様に最悪の場合吹っ飛ばされるとおもっていたのかリクオは拍子抜けだと言うように目を丸くする。
「ずいぶん簡単じゃねーか」
「因縁を断ってこい
帰ってきたらお前が3代目じゃ」
ぬらりひょんは笑みを浮かべて言う。
「ああそうだ
京についたら秀元に会うとええ」
13代目の秀元のことを指すニュアンスだ。
「誰だ?それは」
「陰陽師のお嬢ちゃんにでもきくといい」
「……祝宴の用意でもして待ってろよ
あ、ところでリクヤとリクトの姿が見えねぇんだが…あいつら何処だ?」
「二人ならワカメとやらに連れられて京都に一足先に行っておるぞ…青田坊と雪女も後から追って行ったのう」
「ワカメ……あぁ清継か」
そう言いながらリクオは部屋を出た。