いつも、貴方の側に…

□1章
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「ねぇ、どうして…」

静かに吹く風が、私の髪をゆらす。

彼の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。


「何回も言ってるだろ。俺は…俺は、もうこの世に必要のない人間になってしまったんだ。こんな命、もう要らないんだ…」


屋上の柵へと足をかける。

私はとっさに彼に飛び付いた。


「何言ってるの?貴方の魔術はまだ使える!貴方がいれば、救える命だってあるよ!!」


そんな私の腕を豪快に振り払う。


「回復魔術の使い手が、ろくに回復できなくなったんだ。
お前みたいに万能な能力の持ち主には分からないだろうな!!」


あっ…!


彼の腕に押された私の体は、何の抵抗もなく宙に浮いた…
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