いつも、貴方の側に…
□5章
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1週間後……
今のところ何も変化のない生活を送ってきた私たちの前に突然信長様が現れた。
「今日は光秀がこちらに来る予定だ。
普段からそうしているからわざわざ言わなくてもいいと思うが念のため言っておくぞ。
出来ることなら光秀にこいつの存在は知られたくない。面倒事は避けたいからな。
もしどうしても部屋を出る用事があるなら静かに三成を呼べ。後は我らで何とかする。
決してお前ら二人だけで移動するなよ、わかったな」
信長様は返事を待たずに部屋を出ていく。
私たちは顔を見合わせた。
「……私が光秀様に見つかると、何か問題があるの?」
十次郎は腕を組み、考え込む。
「恐らくだが、今話をするなら例の戦絡みになると思われる。
そんなときに西軍で姫の護衛なんてやってるってバレたら……それが戦の引き金になりかねない。
そういうことだろうな……」
私は十次郎の話を聞いて何となく状況を理解した。