いつも、貴方の側に…
□2章
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「えっと…何も、思い出せない……」
彼の視線が私の身体をなぞる。
「思い出せない…もしかして貴女、記憶を」
ガサッ!
突然側の草木が揺れる
「誰だっ!」
十次郎が腰にある刀に手をかけた。
カサカサと音をたて、出てきたのは……馬。
「馬?」
ポカンとしてると一人の男性が出てきた。
「おい、勝手に逃げ出すな!
……ん? 十次郎?」
「ああ、信長さん!」
信長?もしかして、あの信長??
「お前、こんなところで何をしている?」
私のことは置き去りでどんどん話が進んでいく。
「道端で姫を保護しましてね、今宿探し中です。」
信長様が私の顔を覗き込む。
「見たことない顔してるな。お前、名前は?」
えっ! 名前?
だから覚えてないんだって!!
「彼女の名前は御影華と申します。」
えっ? だれそれ?