いつも、貴方の側に…
□4章
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カラカラカラ……
そっと障子を開き、華の居場所を確認する。
十次郎に気付かれないよう。俺は静かに華を部屋から外へ連れ出すことに成功した。
部屋に着くなり、俺は壁に華を押し付ける。
華が悲鳴を上げるも気にしない。
「お前に記憶がないことが本当なのか確認したいだけだ。」
などと言いながら、本当の目的は別にある。
華のことを、近くで見つめたかった
じっと見つめているうちに、華の目の輝きに引き込まれる。
隠しておくつもりだったが、つい本音が口から溢れていた。
「っ……!」
本音が出そうになり、口を閉じたが時すでに遅し。
ふっと腕の力が抜けてしまう。
「あ……あの、信長様」
華の言葉に我にかえる。
もしかして、嫌われたか?
そんなはずないと自分に言い聞かせつつ、不安になり、「嫌だったか?」と確認をとる。
首をふる華の姿を見て、安心した俺の中に、華を無理やり監禁していることに対する罪悪感が込み上げ、気づけば謝罪の言葉を口にしていた。
ずっとこうしていたい……
カツ、カツ、カツ……
足音で気づいた。三成だ。
この部屋に入ってきたら……
華には後で話せばいい、と思い、俺は……
「すまん!」
そう一言詫びて、華を壁に向かって突き飛ばす。
ドンッと鈍い音が聞こえ、表情を歪める華に心の中で謝る。
ごめんな、華……
ほぼ同時に三成が部屋に入ってくる。
なんとか言い訳をして三成を部屋から追い出す。
二人きりになったところで、俺は手を差し出し、華を立たせる。
これ以上はさすがにまずいと感じた俺は、黙って華を部屋に送った……。