俺プリシリーズ 短編集
□秘密の生活
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環から発せられた唐突な一言は、俺の思考を停止させた。
「……今なんか言うたか?聞こえへんかったわ」
なにもなかったかのように俺は手元の書類に視線を落とす。
「お前な!聞こえなかった訳がないだろ!」
若干切れ気味な環を放置すると、足音を消して俺に近づき、耳元で囁く。
「なぁ悟史、お前のモノで、俺様をイ・カ・せ・ろ」
「っ!やめぇや!こちょばいやろ!
それに、今自分が何言うてんかわかってるんか!? アホちゃうか!?」
口ではそう言いつつ、顔が赤みを帯びていく感覚を覚える。
「俺様が人をイカせるのは得意なんだが、イカされるという経験はないんだ。」
「…………さよか」
興味なさげに答える。
「だから悟史、俺にイカされるというのがどんなものなのか教えろ。」
「大事な話って、そんだけかいな……」
もはや俺に断るという選択肢はないらしい。
環の手はすでに俺のベルトにかかっている。
(さっきからこいつ、何言うとるんや……
俺ので環を…………
そ、そんなん出来るわけないやろ!)
「悟史、シてくれるよな……
この俺様が直々に頼んでるんだからな……」
(ま、まぁ、普段から環のやりたい放題に付き合わされていろいろ溜まってるんは確かやし……
鬱憤晴らすためなら……)
「わかった……。ヤれば、ええんやな……」
俺は重い腰を上げた。