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□染めたい染まりたい
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鴻鳥と付き合いだして数ヶ月

手を繋ぐのとキスまでは進んだものの、それ以上の関係にはなっていない


休みや時間が合わないのもあるが、桜弥がまだ男性を知らないからと言うのも理由の一つかもしれない


産科医を目指し、無闇に男性と交わる事へのリスクも知らない訳ではない

けれど、鴻鳥はモテるだろうし自分より綺麗な女性と付き合ったり、夜を共にしたりと経験は私よりずっとあるだろうと、不安ばかりが募っていく


人間と言うものは、欲が出始めると切りがない


彼は、今までどんな風に他の女性を愛したの?
どんな風に求めたの?
どんな風に愛し合ったの?

そんな事ばかりが頭の中を占めている中、鴻鳥が一人の女性と話をしているのが目に入る

とても親しそうに話す二人を見ると、今まで押さえていた感情が溢れだし涙が止めどなく溢れだした

『ちょっ、如月先生どうしたの?』

たまたま通りかかった小松は目を見開くも、急いで桜弥の手を引き空いている部屋に入る

『ねぇ、どうしたの?お姉さんに言ってみなさい?』

『小松さっ...私、女として魅力有りませんか?私っ...私...』

優しく笑みを浮かべ涙を拭ってくれる小松にさらに涙が溢れ、必死に自分の思いを話した


『そっかぁ〜!でも、大切にされてるのは分かってるんでしょ?』

その言葉にコクンと頷く

『それが分かってるなら大丈夫だよ!私が見ても、鴻鳥先生が如月先生の事大切にしてるの分かるしね!』


それに...と小松が言葉を続ける

『経験があるとか無いとか、関係ないんだよ!古いかも知んないけどさ、自分の初めてを本当に大切な人に取っておけるって良いことだと思うけどな』


寧ろ、今の若い子達はヤッちゃえば良いって軽く考えすぎなのよね!

『如月先生、急いで考えなくても時期が来るわ?今日は珍しく二人揃って変えれるんでしょ?紅くなった目をしっかり冷やしときなさい!』

ポンポンと肩を叩き、小松は部屋を後にした




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