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□彼と彼女の意外な一面
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四宮は夜、必ず求めてくる
イヤではないから、その行為を受け入れる私もいる
けれど、彼は朝まで離してくれる事はない
そんな朝まで離して貰えない日が時々あり、その度にダルさを悟られまいといつもの通り医局に向かう
『桜弥先生、おはようごさいます!』
『おはよう、下屋先生』
『体調、悪いんですか?』
『大丈夫よ』
私達が付き合っている事は皆は知らない
だから、何で疲れているのかも知らない
このダルさはバレない様に過ごしていた
別に秘密にしている訳ではないが、話すタイミングを逃していた
『疲れているなら、無理しない方がいいよ?』
『そうだよ?桜弥は無理しすぎる所があるからね』
同期の鴻鳥や、小松もどこか心配そうな表情をするも『大丈夫』と笑顔を見せる
少し遅れて、四宮は平然と医局来て飄々と自分のデスクに着く
それを見て、何がキレたのが自分でも分かった
『...春樹』
『桜弥か...なんだ?』
平然と会話をするふたりに小松は目を輝かせた
『何々!二人って名前で呼ぶ仲だったの!』
そう
同期とは言え、四宮は余程でない限り下の名前では呼ばないからだ
目を輝かせている小松と、コーヒーを飲む鴻鳥、ただならぬ雰囲気にオドオドする下屋
反応はさまざまだが、その3人を他所に桜弥が口を開いた
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