お昼寝〜鸛鳥中編〜

□音楽と君〜四宮の心の内〜
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此処は産科だ

何故、病棟に入院している子供がいるんだ

『桜弥先生〜!』

『今日の一番は僕!』

『私〜!』

子供は嫌いじゃない
嫌いじゃないが、賑やか過ぎる

サクラの知り合いの如月が来てからと言うもの、昼休みでも子供の間で流行っている歌を弾いて欲しいだの色々と集まってくるのだ


担当している妊婦にまで、出産する時には如月先生のピアノ曲を流して欲しいだの、評判が広がっているようだ

『ふふっ、ちゃんと順番に弾くから...ね?』

サクラと同じ様な優しい笑顔に子供も大人しく頷く
早く来てね!とピアノを置いてある部屋へと走って行く

『走るな〜!』と小松の声が同時に響く

『四宮先生もたまにはどうですか』

フワリと微笑む如月
サクラ達も昼を済ますと、時たまピアノを弾く如月の所に聞きに行っているみたいだ

『いえ...ここでも充分聞こえますから』

そう答えると、如月はキョトンとするも直ぐに笑顔になる

『そうですか』

この笑顔は何故か惹かれる
恋なのかは分からない

例え恋だったとしても叶うことなく終る


『桜弥、子供たち待ってるよ』

ノホホンと焼きそばを買って、医局に戻ってくるサクラがいる限り

『分かった!サクラ、四宮先生また後で』

微笑むと、早くとせがむ子供の声が響く

子供は嫌いじゃない
けど、如月の回りで笑っている子供は

もっと嫌いじゃない

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