お昼寝〜鸛鳥中編〜

□音楽と君〜穏やかな朝と密かな計画〜
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横で聞こえる穏やかな寝息
凄く幸せだと、桜弥の寝顔を見る

オンコールだったが、連絡が入る事はなく二人で過ごす、貴重な時間だった

少し、いや...だいぶ有り難かったりする


『んっ...サクラ?』

『おはよう桜弥』

『おはよ...』

恥ずかしそうに、顔を隠すようにすり寄ってくる彼女が可愛くて仕方がない
これからは毎日、彼女のこう言った姿を見ることができる


『朝ごはん、作るね』

そう言ってフワリと微笑み起き上がる彼女を見送る

桜弥の柔らかな微笑みに、自然に笑みが溢れるのが自分でも分かった



いつもより早く目が覚めた為交代で、シャワーを浴びる


先に入った桜弥は、朝食の準備をしていて、僕が出る頃には直ぐに食べれる様になっていた

彼女の手料理をこれから毎日食べられるようになる
些細な事でも凄く幸せを感じるんだ


席に着くと直ぐに桜弥に話しかける


『ねぇ、桜弥式は何時にしようか?』


『式は良いよ...サクラと家族になって、一緒の家に帰れる事が幸せ』


近い内に、サクラの家に越して来て良い?
そう聞く桜弥に微笑んで頷く


確かに、呼びたいと願う両親は居ない...
けど、桜弥には養父母がいる


それに、施設のお母さんも呼びたいはずだし、ドレスだって着たいはずだ


『それに、サクラも忙しいでしょ?』

その言葉を直ぐに否定はできなかった


『じゃぁ、桜弥を育ててくれたご両親に挨拶と、籍だけは早めに入れよう』

『うん』

凄く嬉しそうに笑ってくれる桜弥を見ると、無理に彼女納得させるのは得策じゃない...そう判断した


コトン、とコーヒーカップが置かれる

『今は、無理して挙げる必要はないよ...だって、何が幸せかはこれから二人で決めて行けば良いんだもの』


『そうだね...二人で一緒決めて歩いて行こう』

それから、二人で朝食をとり穏やかな朝を過ごした

『そろそろ時間だね』

『うん!今日も子供やお母さん達の笑顔が見られるの楽しみ』

また二人ともクスクス笑い、準備を済ますと部屋を出た
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