お昼寝〜鸛鳥中編〜

□音楽と君〜幸せの音〜
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こっそり準備が進められて、早二ヶ月


バレないようにしているため少々時間が掛かったが、来週にはドッキリでお手製の式が出来そうだ


周りの人間のテンションが上がっている


まぁ、主役の本人達は何も知らないので仕方がないのだが


そんな中、今日休みの筈の桜弥は産科を受診していた


事の発端はこうだ
籍や、桜弥の養父母に挨拶も済ませた二人は、鴻鳥の住むマンションで夫婦として既に生活を始めていた


桜弥は最近、自分の体調に変動があるのを感じていた

毎月ある物が来ていない事にも気付いたので、休みを利用し検診も兼ねて訪れたのだ

しかも、担当医は四宮である


『じゃぁ、エコー撮ります』

『はい...って、四宮先生そんなにツンツンしてたらダメですよ』

その言葉に、桜弥の担当産師として一緒にいた小松は思わず声に出して笑った


『如月先生、それは関係ないでしょう』

『先生、私も鴻鳥になったんですよ』


『そうでしたね...』


エコー画像を見ながらが会話
四宮のツンツン振りは変わらずである


桜弥は、四宮のデレの部分を引き出せる女性に逢ってみたいと密かに思っていた


『ちゃんと、お腹の中に居ますね』


『はい?』


『だから、赤ちゃんがです』


ほら...と、まだ全くそれにはなっていないが小さな命が確実に芽吹いていた


『桜弥先生もお母さんかぁ〜』


お母さん


その言葉に胸がドクンとなる
私が母親になる

私に沢山の愛をくれたくれた人達と同じ様に、この子に沢山の愛をあげよう


サクラと二人で

診察の後、医局に居るであろうサクラの元に行き、四宮に貰ったエコー写真を見せる

二人で、照れくさそうに微笑むとおめでとう!と言う優しい声が響いた


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