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□一話
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入学試験も無事合格し、入学式を先程終えた。小梅のクラスはA組だった。今は担任の先生が来るまで各々新しい友人と話している。小梅は特に会話をしたい人物がいないため、読書をしていた。本のタイトルは‘世界の拷問’。
「加々知さん」
名字を呼ばれた小梅が本のから顔をあげると、男子生徒が机の前に立っていた。
「僕は浅野、君の隣の席だ。よろしく。」
そう言って男子生徒、浅野は小梅の隣の席に座った。
「うん、よろしく。浅野くん。」
「加々知さん、珍しい名字だね。初めて聞いた。」
「よく言われる。」
「何の本、読んでるの?」
「ちょっと刺激強いよ」
そう言って小梅はブックカバーを外してタイトルを見せた。タイトルを見た浅野は頬が引きつるのを感じた。
「そういう本、読む人始めて見たよ...」
「結構面白いよ。人体の構造が詳しく書いてあるし、お薦め。」
「そう...」
浅野はこの時悟った。‘この少女は支配できない’っと。
地獄〜閻魔庁
「主」
「小梅さん、おかえりなさい。どうでしたか?入学式は」
「問題なく終えました。理事長Jr.とお話しできました。
後、お借りした本、とても良かったです。これを踏まえて妲己様のお話をお訊きしたいと思っております。」
小梅は本を手渡しながら言った。
「あぁ、彼女は天狐ですからね。貴方が憧れるのも当然です。
...来週末、リリスさんがいらっしゃいます。‘世界悪女の会’が開かれるそうですよ。飛び入り参加、しますか?」
「はい!」
小梅は小躍りしそうな体を押さえながら返事をした。
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